最近、トットちゃんを各局で演っていますね。
トットちゃんとは、1980年に出版されて大ヒットした自叙伝。
「窓ぎわのトットちゃん」
黒柳徹子さんの半生を描いたノンフィクションの物語です。
黒柳徹子さんは、バイオリニストの黒柳守綱さんと朝さんの間に
長女として産まれました。
窓ぎわのトットちゃんは、いろんな演出家や監督が何度も実写化にしたいと
切望されていたのですが、
黒柳徹子さんが、この物語の中に出てくる、トモエ学園の校長先生である、
小林先生を演じられる俳優は、日本にいません!と
ずっと断っていたんですね。
ですから、小林先生が出てくるトットちゃんは、窓ぎわのトットちゃんが
出版されて40年近く経つのに、初めて実写化されたのではないでしょうか?
前回他局であったトットちゃんは、大人になってからのトットちゃんでした。
窓ぎわのトットちゃんでは、トモエ学園でのお話が、大半を占めていましたので、
大人になってからのテレビ俳優になってからのトットちゃんは
とても新鮮でした。
そして、今回は、トットちゃんが産まれる前の
お父様とお母様の出逢いから、物語はスタートします。
産まれる前から?という事は、当然トモエ学園の場面は出てくるのでは?
小林先生は、どうなるのかな?と思っていました。
今回のトットちゃんは、小林先生を竹中直人さんが演じられました。
大田区の区立の小池小学校に通っていたトットちゃん。
公立の学校なのに学校に合わなくて退学を促されてしまいます。
お母様は肝を潰しながらトットちゃんがトットちゃんらしくいられる学校を
みつけてきて、連れて行ったのです。
それがトモエ学園だったのです。
その時、トットちゃんと面談して何時間もトットちゃんのおしゃべりを
しっかり楽しそうにトットちゃんが話す事が尽きるまで話を聞いて、
君は本当はいい子なんだよと声をかけ、
トットちゃんはのびのびと個性を潰す事なく、
小学校生活を送る事ができたのです。
さらっと小林先生は登場しましたが、
人格者の小林先生を演れる俳優さんはなかなかいなかったんでしょうね。
あれだけ何十年間も、演れる俳優はいないと言われていた黒柳徹子さんの
お眼鏡に叶ったんですね。
トモエ学園での場面はとても素敵でした。
主題歌も福山雅治さんが唄う「トモエ学園」。
小林先生がトモエ学園を開いたのは、目黒区の自由が丘です。
戦争で焼けてしまって、今はもう存在していません。
しかしトモエ学園があったところは、現在大丸ピーコックが建っています。
ピーコックの定礎には「トモエ学園」の事が記されています。
この街は、黒柳徹子さんも一時期習っていた舞踏家石井漠先生の
バレエスタジオがあったり、芸術家が多く移り住んだ土地です。
漠先生は、自由が丘の名付け親でもあると言われています。
名前の通り、お互いの個性を認め合いながら、良識とセンス溢れる街です。
もし戦争で焼けなければ、個性を大切にする教育が
ずっと続いていたのでしょうか?
画一的な社会から今個々を尊重し、多様化していっている今
きっとトモエ学園の教育は、忘れられている何かを
とても考えさせられますね。